第五回 機根塾講演会

演題: 
      文字のはなし

講師: 落合 勲 氏

日時:7月15日(日)
   13:30 〜

会場:ひもろぎ苑

1940年 三重県四日市市に生まれる
1959年 四日市商業高校 卒業
三和銀行を経て
1966年 四日市市にて喫茶イオリ開業
一方でデザイナーを志し、中京圏を中心にイオリ書体で活躍
1990年 ワープロソフト「イオリ書体」6,731文字を日本フォントライブラリーに登録
1991年 清水英雄先生と出会う。
「ありがとう」の詩を「こころの文字」でかく。
1992年 大阪・心斎橋ファインアートにて個展
1994年 東京・青山 サロン ド フルールにて個展
1995年 名古屋三越栄本店「ありがとう展」
甘清堂心斎「壺中天」にて個展
 日頃何気なく使っている文字。日本人は、漢字・ひらがな・カタカナなど様々な文字を使い分けてきましたが、若者を中心に年々活字・漢字離れが深刻な問題となってきています。このことは日本に限ったことでなく、欧米の先進国でも同じ様な現象として顕在化しています。
 ではなぜ活字・漢字離れが起こっているのでしょう。自分自身の過去を振り返ってみてもテストや受験のために暗記してきた記憶が強く、テストや受験が終わってしまうと忘れ去ってしまう"詰め込み型"だったような気がします。ゆとりをもって漢字の意味や奥深さに触れる出会いがあれば、もっと印象が深まったのではないかと思います。
 落合先生の講演は、そんな後悔を払拭してくれる素晴らしい講演でした。落合先生からは漢字や文字が好きで好きでしょうがないという気持ちが聞き手にひしひしと伝わってきます。そこには、国語の授業の先生の"漢字を覚えろ!"という威圧感があるのではなく、漢字や文字の面白さを伝えたいという純粋さがありました。若い頃から漢字や文字の面白さを体験できれば、漢字・活字アレルギーは少なくなると思いました。
 落合先生の講演は一風かわっていました。先生が予め色紙に様々な漢字や文字を書かれ、色紙毎に漢字や文字のエピソードや先生の思い入れをお話になりながらの講演されるので、とても印象に残る講演でした。最後に講演で使った色紙をお土産にいただき2度美味しい講演会でした。どうもありがとうございました。